プラズマ班

企画概要

プラズマという言葉は有名ですが、日常生活には馴染みのない言葉だと思います。プラズマはイオンと電子の混合ガスで高い反応性を持っているため、地球上の環境ではすぐに元に戻ってしまいます。そのためプラズマを見ることができる機会は、雷や溶接など限られています。しかしながら、地球外の宇宙では99%以上の物質がプラズマの状態で存在すると言われています。宇宙の研究を行うほどプラズマが関わってきます。19世紀末に発見されたプラズマは、その性質などが20世紀前半には明らかにされています。

しかし、最近でも新エネルギーの核融合の研究や微細加工、カーボンナノチューブを作成するのに用いられています。また最近では高い反応性を利用してガンを死滅させる研究や化学反応など、物理だけでなく生命科学分野での研究も盛んに行われています。利用分野が多い分野の一つです。

プラズマ班は、電気を使ってプラズマを発生させ観察できるような展示を用意しております。

展示紹介

炎曲げ

プラズマ状態にあるろうそくに電場をかけることで炎が曲がる様子を観察できます。

テスラコイル

共振現象を利用した変圧器により、数十万ボルトという巨大な電圧による放電を観察することが出来ます。

プラズマ鏡

形のないプラズマにより、ラジオ波が反射される様子を見ることが出来ます。

イオンクラフト

小惑星探査機「はやぶさ」などにも応用された、静電気による推進力を用いた飛行物体、イオンクラフトが浮上、加速する様子をお見せします。

原子イオンと電子に分かれた状態「プラズマ」
通常とは違う状態であるために、それは私達の普段暮らしている世界とはまた違う性質を示します。工学博覧会では、不思議なプラズマの性質について私達が解説します。

出張時間割企画

演示実験「テスラコイル」

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理論冊子

ポスター
炎曲げ
テスラコイル
プラズマ鏡
イオンクラフト

 

電磁波班

企画概要

電磁波班では可視光を中心として電磁波に関する展示を行っております。

私達の身の回りは電波や光、すなわち電磁波で満ち溢れており、生活の様々なところで利用されています。一方でテラヘルツ分光による物性解明や光子を用いた量子もつれの生成など、物理工学科の先端研究においても光を用いたテーマは枚挙にいとまがありません。光は古くから人々の傍にあり、そして今なお光を使った新しい技術が生まれ続けています。

しかし、光が電磁波であると分かったのは19世紀のことですし、粒子としての性質も兼ね備えていることへ一定の説明がついてからは100年も経っていません。それだけ”光”というのは一筋縄では理解しきれず、そしてだからこそ魅惑的な存在として輝き続けています。電磁波班の展示では「偏光・通信・光と物質の関わり合い」の3つを大きなテーマに据え、光の波や粒子としての性質がもたらす基礎的な、しかし多様な現象を御覧に入れます。

展示物

可視光通信

赤色のLEDを用いて、AMラジオと同じように音声信号をやりとりする実演を行っています。

偏光

光は電場と磁場の波、そしてその波には振動する方向があります。偏光板を通して、様々な物質に潜む光に関する現象を覗いて見ることができます。

光と物質

私達の身の回りにある物質は、どんなものでも光を含めた電磁波と相互作用をしています。その典型的なものが「色」です。ここでは、光と珍しい相互作用をする物質、構造をいくつか展示、紹介しています。

「可視光通信」という言葉をご存知でしょうか。普段私達が利用している無線通信はほとんどが電波を利用したものです。しかし、目に見える電磁波である光を使っても情報をやり取りすることができます。物理工学科電磁波班では、簡単な可視光通信のデモンストレーションを行います。

出張時間割企画

演示実験「光と化学反応」

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理論冊子

ポスター(偏光)

物性班

企画概要

物性という言葉を聞いたことがあるでしょうか。これはその漢字の表すとおり、物質の性質のことです。世の中には面白い物性が無数に存在しており、人間は物性を利用して様々なものを作ってきました。

物性班は今回、物理工学が研究対象とする数多くの物性のうち、磁性・流体・半導体をテーマに展示を行います。例えば、超伝導体が磁石のレールの上を浮かびながら走る様子を観察したり、圧電素子を踏むことで発電したり、ダイラタンシーと呼ばれる性質を示す液体の上に立ったりできるなど、興味深い物性が体感できる展示を制作しました。その他にも、超伝導体で実際に電気抵抗がゼロになる様子、粘度(ねばりけ)の高い流体(力を加えると自由に形を変えて流れることができる物体)の不思議な振る舞い等、普段身近でない現象も、見て楽しめるように工夫しています。

文章で読むと小難しく感じてしまうような現象も、実際に観察、体験すれば身近で面白くなってくるはず。是非お越しください。

展示紹介

ER流体

電場をかけることにより粘り気が増加する「ER流体」を用いた実験を行います。

Taylor-Couette flow

粘性の高い水飴は、その流れに特別な性質を示します。時を巻き戻したかのように流れが戻っていく不思議な現象をじかに見ることが出来ます。

超伝導体リニア

液体窒素により冷やされた超伝導体が、永久磁石による磁場に固定され、レールを飛び出さずに走り続ける超電導リニアの展示を行っています。

超伝導体の永久電流

超伝導体の「抵抗がゼロである」という性質を用いて、超伝導体に電気が流れつづける様子を観察できます。

強磁性体の相転移

磁石にくっつく「強磁性体」である鉄もある条件でその磁力を失います。その変化「相転移」の様子を実演します。

圧電効果による足踏み発電

力を加えると電荷や電圧が発生する物質「圧電体」を利用し、圧電効果による足踏み発電を体感することが出来ます。

ダイラタンシー

水に片栗粉を溶かしたドロドロした液体は、踏むことで固まり、またもとに戻る「ダイラタンシー」と呼ばれる性質を持ちます。その現象を展示を通して体感してください!

鉄が磁石にくっつくというのは、日常生活で当たり前のことですが、 鉄が「ある状態」のときそんな当たり前のことが起こらなくなることがあるのです。そんな物の性質「物性」の不思議な一面を、物性班ではお見せします。

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理論冊子

ポスター
ER流体
層流

制御班

企画概要

私たちの身の回りにある様々な装置には、目的の状態へと自動で調整する機能が備わっています。例えば冷蔵庫には、庫内の温度を常に設定された値に保つための機能があります。このように望みの状態を達成するために行う操作を『制御』と言い、ここではそれを実現するための仕組みを扱います。

制御は、センサ・コントローラ・アクチュエータの3要素から構成されます。冷蔵庫の例では、まず庫内の温度を測り(センサ)、それをもとにどのくらい冷却装置を駆動させるのかを決め(コントローラ)、実際に冷却装置を動かします(アクチュエータ)。

今回の展示では、制御理論を応用した2つの装置を製作しました。1つ目は、黒い線に沿って進むライントレースカー。マジックで自由に線を引いてもらい車を走らせることができます。2つ目は、不安定な板の上にボールを載せて位置をコントロールする装置です。これらを通して『制御』の楽しさや奥深さを体験してみませんか?

展示紹介

ライントレースカー

床上の黒い線を認識し、自分の位置と目標の線との関係を捉えながら「フィードバック制御」により向きを修正して軌道上を走る、ライントレースカーの実演を行います。

Ball & Plate

傾きを自在に変えることのできる平面上にボールを載せ、ボールが落ちないように制御しながら目的の位置へとうまくボールを制御する装置の実演を行います。

Ball & Plate の実演
Ball & Plate の実演

制御班では、展示・実演・工作を通じて「制御」について楽しく学べます! ぜひ当日工学博覧会に足をお運びいただき、制御の奥深さ、そして身近さを体感してください!

出張時間割企画

工作教室「ライントレースカーを作ろう!」

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理論冊子

ポスター

画像処理班

企画概要

我々はなぜコンピュータが便利で役立つと思うのでしょうか。1つの理由として、人間にとって複雑で面倒なこと、不可能なことをしてもらえるからというのが挙げられます。例えば人間の仕事を代替してくれるロボットを作るとしましょう。このとき画像をコンピュータで扱うことは、ロボットの「目」を作ることに相当します。

しかし人間が簡単にできることが、コンピュータにとっても容易とは限りません。例えば人間は猫の写真を見て即座にそれが猫であると理解しますが、コンピュータには2次元に広がる数字の羅列にしか見えません。正しく画像を認識するには、人間がひと工夫する必要があるのです。この工夫こそが画像処理という言葉が指す技術です。

今回は先人の「ひと工夫」を活かして、手書きの数式を認識して計算する電卓と、現実空間には存在しないギターを弾けるシステムを製作しました。ぜひ会場で体験して、画像処理技術の可能性を感じてください。

展示紹介

Kinectによるエアギター

Kinectから取得した関節位置をもとに画面上の3Dモデルやエアギターを動かし、さらにジェスチャーを検出することでギターの音を鳴らす実演を行っています。

手書き数式自動認識電卓

多くの文字例をコンピューターに「学習」させることで数式を認識し、自動で計算してくれるように実装した電卓を展示しています。

手書き認識電卓の実演例
手書き認識電卓の実演例

今年の計数工学科画像処理班の展示の1つは、手書きの文字を認識し計算してくれる電卓です。この展示は実際にPC上で試すことも可能です。 ところで文字認識を可能にする背景には、「機械学習」なる理論が隠れています。当日はわかりやすいポスターとともに、班員が丁寧にその理論を解説いたします。

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理論冊子
エアギター
手書き文字認識電卓

ポスター
エアギター
手書き文字認識電卓

アルゴリズム班

企画概要

アルゴリズムとは、数学・コンピューティング・言語学・あるは関連する分野において、問題を解くための手順を定式化した形で表現したもののことを言います。近年、私たちの毎日の生活は、多くの便利なアプリケーションに支えられていることでしょう。そしてその多くは、実はその機能の仕組みが多くのアルゴリズムによって支えられているのです。

アルゴリズム班は、多くの五月祭来場者にアルゴリズムを身近に感じてもらおうと、五月祭の企画を効率良く回るお手伝いアプリ「MAYSEARCH」を制作致しました。滞在時間・現在地・回りたい企画を入力すると、最適経路を経路地図と併せて返します。

また当日の展示では、アルゴリズムを利用したゲームの一つ、「囚人のジレンマ」の模倣展示も行います。我が班の画期的なツールの便利さに感動し、更にはアルゴリズムの知識も身につけて、圧倒的学術面の成⻑をしないことには・・・五月祭は終われない!

展示紹介

MaySearch

企画数が数百個に及び、キャンパスも大変広い五月祭。気になった企画を出来る限り多くのお客様に楽しんでいただくため、回りたい展示と現在地から、アルゴリズムの理論を利用し、最適な経路を探索するアプリケーションを製作しています。

出張時間割企画

講演「人生を変えるアルゴリズム」

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理論冊子

ポスター

シミュレーション班

企画概要

 シミュレーション(simulation)とは実際にやってみることが困難な問題について、その問題の条件や制約を保ったまま模型やプログラムを用いて再現することです。これにより扱うことが困難であった問題の評価および分析を容易に行おうとするものです。

シミュレーションにおける最も重要な過程は「実際の問題をより忠実に再現すること」、言い換えると実際に起こる現象を数式を用いてより良く表現することです。なぜなら再現度の高さが直接、問題の評価・分析の正当性につながるからです。ここがシミュレーションを行う上での難しい点でもありまた面白い点でもあります。

しばしばモデリングとも呼ばれるこの手法を私たちの班では3つの身近な例に適用しました。具体的には”害虫の駆除”、”待ち行列”、”速度違反の取り締まり”についてシミュレーションを試みました。ぜひみなさんにはゲーム要素も交えながらシミュレーションに親しんでいただければと思っています。コンピューター上に再現された現実をどうぞ見て行ってください!

展示紹介

待ち行列理論

私達の身の回りで起きている行列について、「良い並び方」を調べるべくシミュレーションを行い、結果をコンピュータ上で再現しています。

害虫駆除ゲーム

害虫の発生、行動、駆除をロトカ・ボルテラのモデルによりシミュレーションし、実際にゲームで楽しんでいただくと同時に、その理論を目で見える形で展示しています。

害虫駆除ゲームの画面例
害虫駆除ゲームの画面例

殺虫剤の使用がかえって害虫の増加を引き起こす不思議な現象が知られています。その背景には天敵との相互作用などを含む様々な要因が考えられており、複雑な挙動を数理モデルで解析する研究がなされています。シミュレーション班の一つの展示ではそうしたモデルを楽しく体験できるゲームを作成中です!

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理論冊子
待ち行列
害虫駆除

ポスター
待ち行列
害虫駆除

音声処理班

 企画概要

皆さんは人間の五感のうち2番目に多く刺激されている感覚はなんだと思いますか?…そうです、聴覚です!

私達は街を歩くときや、学校や会社で話すときなど、あらゆる場面で音を聴いています。しかし実は我々が”聴こえている”と思っている音は本当の生の音ではなく、人間の脳が様々な処理を加えた音なのです。例えばその処理の1つとして、音が混じった環境ではモノラルマイクで録音するだけではその音がどの方向からやってきているのかなどの情報はおろか、1つの音源からの音のみを分離して聴くということすら出来ないでしょう。人間はそれを2つの耳と脳によって可能にしているのです。

さて、人間が最も聴き慣れている音とはなんでしょうか?その1つに人の声が挙げられると考えます。顔や体つきなどと同様にその人を特徴づける声ですが、なぜかくも多様な声が生まれるのか、その仕組みが分かれば逆に声を生成することも可能です。

音声処理班は人が聴く音、発する音に注目して、カクテルパーティ効果、音声認識を用いたしりとりの展示を行っています。興味を持って頂けた方は是非ご覧下さい。

展示物

Word Chainer

コンピューターにて音声モデル、言語モデルを用いたしりとりマシーンを展示しています。

カクテルパーティー効果の再現

人間が注目している声や音を選択的に聞き取ることを,心理学の用語でカクテルパーティー効果といいます。この人間の能力を ICA という分析手法を用いて再現し、混ざった音声から一人ずつの音声に分離する実演を行っています。

SoundSpring

スペクトル解析を用いて普段目で見ることのできない音の「大きさ」および「高さ」の違いを、まるで音の泉 ~Spring~ のように「勢い」および「色」の違いとしてリアルタイムで表現する展示を行っています。

SoundSpring
SoundSpring

 

そもそも音がどういうものなのか皆さんは説明できますか?応用的な内容に立ち入る前に音そのものの理解を深めてもらうための展示も用意しました!音について知りたい,動画が気になったという方も,音がとくいなフレンズの皆さんも,ぜひぜひ工学博覧会へお越し下さい!

出張時間割企画

講演「Vocal Treasure ~理想の声を求めて~」

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理論冊子
カクテルパーティー効果
WordChainer

ポスター
カクテルパーティー効果
音声認識と統計的声質変換